第16話「墓標の蛍」

村上龍樹（むらかみたつき）の漫画

1945年8月。広島。

終戦間近の日本、軍属の情報分析官・根津海景（ねづみかげ）は、不穏な極秘指令に導かれ、とある神社を訪れる。だが、そこで出会ったのは、黒山羊——そして、原爆のキノコ雲だった。

すべてを失い、生ける屍と化した根津が東京の焼け野原で彷徨うなか、再び運命の歯車が音を立てて動き始める。謎のフィクサー、未来を幻視する力──。敗戦直後の混沌と絶望の中、世界の命運を背負わされた男が、再び歩き出す。

長編漫画『黒山羊をめぐる冒険』は、戦後東京を舞台に、SF・歴史・オカルトが交錯するダークファンタジー。占領下の日本、謎の神獣「変麟丸」、連続殺人鬼「暗黒バット」、そしてやがて訪れる“未来”とは？