蟲病 ―むしやみ―

蟲病 ―むしやみ―

『蟲病』…それは、人間が虫のような醜い化け物に変化する病。
人間の心が表面化するというこの病は、感染経路不明、治療法もなく、
唯一の解決法は【駆除】。
大正時代、華やかな帝都の片隅で、浮浪児たちは家族として
肩を寄せ合い懸命に生きていた。
リーダーは13歳の少女・小春。
希望を捨てずに生きる彼らにも、蟲病の脅威が襲い掛かる。
発熱した弟を連れ、助けを求めるも、浮浪児に町人は冷酷な駆除を迫る。
からがらに逃げ延び帰宅すると、弟達はすでに蟲化していた。
そしてその変化は小春自身にも―…。
小春の前に現れたのは駆除人の大男・ザムザ。
生きたままに捕らえられた小春は、弟達と生き延びることを目的に
ザムザに駆け引きを挑む。
蟲病とは何か、ザムザの真の目的は―!?