機動戦士ガンダムZZ外伝 ジオンの幻陽 下

機動戦士ガンダムZZ外伝 ジオンの幻陽 下

森田ガンダム2作目、完結の第2巻。

この作品はオリジナルSFとして自分がやりたい事が詰まっていたので、思い入れがありますね。キャラも、主人公のフェアトンはアルセーヌ・ルパンを宇宙世紀に持ってきたようなところがありますし(まさか後に本当にルパンを描くことになるとは思わなかったw)、ヒロインのリア大尉も生き生きとした変なキャラにできて、色っぽく面白く描けました。何より上巻でも書いた通り、「自分のやりたいスケールの大きい宇宙SF」が描けたのは満足ですね。こういうのをオリジナルでもう一回描きたいですね。

描きたい話の骨子は僕ですが、舞台にZZの時代を提案したのはサンライズの監修の方でした。他にコロニー戦国時代というアイディアもありましたね。ガンダムエースが1stから他の時代に広げていこうという機運があったのだと思います。

歴史物好きの僕としては、ZZの本編ではあまり歴史の動きみたいなのを感じられなかったので、裏で語られている設定を取り入れて「歴史物としてのZZ時代」を描くのも面白いなと思いました。ハマーン不在のアクシズを攻めるメッチャー・ムチャ率いるエゥーゴの侵攻を、マシュマー・セロやキャラ・スーンを中心としたアクシズ防衛軍が防いだという事は放送当時の設定にもあったとのことですが、それを物語として描いた作品は、現状はこの『ジオンの幻陽』だけだと思います。「歴史物として宇宙世紀を描く」を志した森田ガンダムとしても、満足です(笑)。